龍乃一味のカオスな学園生活

朝一番に生徒会室を訪れるとはいえ、龍乃は生徒会の仕事をする訳ではない。

まだ一枚岩とは言えない龍乃一味。

まずはその交流を図る。

生徒会長として、龍乃は龍乃なりに考えるようになったらしい。

といっても、刹那は取り付く島もないし、武は難しい言葉遣いでかえって龍乃の肩が凝るし。

琥珀やセレナ、花やノエルとは割と上手くいっているので、今度は亜鳥と仲良くなろうという作戦なのだ。

頬杖ついてムスッとする亜鳥に、ペチャクチャと横で喋り倒す龍乃。

煩そうにしているものの、立ち去ってしまわないのは、やはり亜鳥がツンデレだからか。

「そんな嫌そうな顔しないでさぁ、こっち向いてよ亜鳥っくす」

「亜鳥っくすって呼ぶのやめたら考えてあげるわ」

「亜鳥っくすは亜鳥っくすじゃん」

「アンタが勝手に呼んでいるだけでしょ?」

「今に定着するって。アタイが流行らせるから」

「定着させなくていい」

「そんな事を言って、照れているのか?」

「誰が照れてなんか」

「可愛い所もあるのだな」

「侮辱しないで頂戴」

「侮辱などしているものか。なかなかに可愛らしいぞ、お前」

「お前なんて呼ぶな。年下の人間の分際で」

「冷たいのだな、同じ『人外』であろう?」