ある朝。

「ふぁあぁぁぁあ…」

自室のベッドで、龍乃は起床。

午前6時。

学校がある日は、いつもこの時間に起きる。

ぼさぼさになったショートカットを掻きながら起き上がり、とりあえず一階に下りると。

「よっす龍乃、よく寝たか?」

龍太郎は早くも道場で立禅(中国拳法式の立ったままの瞑想法)をしていた。

朝稽古は龍太郎の長年の日課だ。

「もうすぐ朝飯出来るって小夜が言ってたぜ。早く顔洗って来い」

「あいよぉ」

まだ欠伸をしながら、龍乃は廊下をトテトテと歩いた。