職員室前

「失礼しました」


軽く一礼をして職員室から出る。

靴箱の所に行かなきゃ。永井君待っているし。

また小走りで靴箱のところに向かうと、永井君が壁にもたれ掛かって待っていることに気が付いた。


「ごめんね待った?」


急いで靴を履きかえてそばに近寄る。

スマホに目を向けていた永井君の視線は私の方に向いて


「全然大丈夫ですよ」


と言った。


「じゃあ帰りますか~」


「うん、帰ろうか!」


2人で疲れをとるように腕を伸ばしながら校舎を出る。

外はもう薄暗いではなく真っ暗になっていた。

今の季節は秋でもうすぐ冬になろうとしている。
まだ7時にもなっていないのに夜みたいだった。

「だいぶ寒くなりましたね~先輩、風邪ひかないようにしてくださいよ?」


「なんで私なのよ!永井君もでしょ?」


「俺は大丈夫ですよ、先輩と違って」


ニヤッと私を見ながら笑う。

な、なによコイツ!後輩のくせに!
外見は可愛いのになんで性格はこんなのなの!?

まるで子供みたいに頬をブクッと膨らました。


「うわっ先輩の顔が肉まんみたいになった!」


「う、うるさーい!」


真っ暗になった夜の道に私の声が響いたのである。