私は座っていた椅子から立ち上がり、永井君を見下ろしながら指を差し言った。

そんな私に帰ってきた言葉はこれだ。


「まあ一応生物部ですけど、俺を無理矢理入らせたのは先輩ですよね?」


「う…」


永井君の冷たい視線と言葉が私の胸に刺さったような気がした。


「あーあ。俺本当はサッカー部とか運動部に入るつもりだったのに、どっかの変な先輩が俺を無理矢理入れたからなあ」


へ、変な!?


「変なとは何よ!仕方ないじゃない、この部活1年が入らなかったら私1人で廃部になっちゃうし!」


むきになってしまって、つい大声を出してしまった。


そう、この生物部は廃部寸前で部員も私と永井君しかいない。

ほんとは2人だから廃部になるんだけど、先生に頼んで廃部の件を無くしてもらったのだ。


「先輩、俺を無理矢理入れた理由ってなんでしたっけ?結構ひどくなかったですか?」


思い出して謝ってほしいのか、何か企んでいるのか怪しい笑顔で見る。


私が永井君を入れた理由は彼が生物とかが好きとかじゃない。

今までのを見てたらむしろそれは真逆。前から仲が良かったわけでもない。

私が入れた理由はある作戦だった。