私は西野先輩にやっぱり
断ろうかと考えていた。

「おーい優衣ー?あんた両想いに
 なれたからってボーッとしすぎ!
 トイレ行きたいから付いて来て!」

「あ、うん」

私は教室を出ながら、どうやって
西野先輩に断ろうかと悩んでいると…


「あ!柴くんと早乙女さんだ!」

「え…?」


そこには2人で廊下を歩き
親しそうに肩を並べる柴と早乙女さんが。

柴の彼女、早乙女 香奈さん
中学から2人はつき合ってるらしく
昔から美男美女カップルで有名な2人。

そんな2人をなるべく見ないようにした。


やっぱり私は早乙女さんに
かないっこないな。


早乙女さんはキラキラとした
オーラがあって周りの人達も
そんな早乙女さんにみとれていた。


…無理だ。こんな片思いやめたい。




  ”もし西野先輩と付き合ったら、
  西野先輩の事好きになれる?”





ふいに頭をよぎる。

西野先輩も私と付き合って良いっていうし
そっちに行った方が…

うん。そうだ、こんな辛い片思い
やめてしまえばいいよ。


「ねえ彩乃、私 西野先輩と付き合う」

私は自分に言い聞かせるように
彩乃に宣言すると、

隣にいる彩乃は不思議そうな顔をした

「何よ今更?そんなの当たり前でしょ?」