バサッ
「ちょっ、柴?!」
柴は私の顔の横に手を置いて(床ドン?)
なんだか遠い目で私を見つめてきた。
びっくりしてテンパる私を柴は
何も言わず私の頬に手を添えてくる。
え、えええ!?
ちょ、タンマ!どゆことこれ!?
テンパるも、柴の冷たい手が
熱い頬を包む心地よさに、
私は少し落ち着く。
再び柴を見ると柴はハッと我に
返ったように私から手を離した。
さっきまであんなに近くにいたのに
柴が離れていくのを見てると
凄く寂しく感じる。
柴はそれから私の目を一切見ずに
「お大事に」と一言だけいうと保健室から
出て行ってしまった。
私は一人残された静かな保健室の中、
うるさい鼓動を抑えながら、ぐるぐると
柴の言葉や行動を一つずつ思い出す。
さっき何であんな事したの?
なんで私に優しくしたの?
なんでなんで。
こうやって最後は独りにするくせに。
柴の気まぐれが一番嫌い。

