いじわるな君に片思い中。



ピピピピ…


静かな保健室に体温計が音をたてる。

「37ど8ぶ…」

私は体から抜いて自分で確認したら
それを隣にいる柴に見せた。

「やっぱ風邪か。てか保険医いないとか
 お前もツイてねーな。ベッド行く?」


私は何も言わず
トコトコと一人でベッドに向かう。

このまま寝ちゃおうかな。
あと授業二時間だけだし。


そんな私を目で追いながら柴は
口を開いた。

「なあ、さっきから何で無視すんの?
 俺の事、きらいなの?」



わかってるくせに。
私があんたを好きな事を。



なのになんでそんな事聞くの?
それも全部いじわる?からかい?


「連いてきてくれてありがとう。
 でも、もう大丈夫だから。
 授業戻っていいよ。」


私は柴の質問に触れず、突き放した。


これ以上柴と二人っきりになりたくない。
なったら、もっと好きになってしまう。

私は柴から目をそらしベッドに入った。



”いいから早く保健室から出て行って”




でも私の思いとは裏腹に
柴は私に近づいてくる。