「彩乃…!!」
なんとそこには彩乃が…
でもなんでここにいるって…
「優衣が教室に入ろうとして、
でも引き返しちゃったとこ
見たんだ。それで追っかけたら
優衣ここで泣いてた。」
「え?ええええ??泣いてないよ?
人違いだよ、きっと」
雨が降ってるせいで外が暗いから
きっと私の顔なんて見えてない。
でも彩乃は私の嘘に惑わされることなく
真っ直ぐ私の方に歩いてきた。
「いつまで嘘つく気なの?
好きなんでしょ?柴くんの事が」
「…え?」
もしかして…気づかれていたの??
「もうずっと前から知ってるよ。
でも柴くんには彼女がいたから
優衣には違う恋をして貰いたくて
私、わざと優衣を先輩と付き合わせた」
だから、あんなに強引だったんだ。
「でもそれって違うんだね。だってさ
優衣の中にはもう柴くんしかいなくて、
柴くん以外、他の誰も優衣の中には
もう入れないんだよ。」
彩乃は私にそう言うと
私を抱きしめてきた。
「辛いよね。片思いって。
私も優衣に片思い中だから分かるよ」
「うん…え?」
彩乃が私に片思い…?
「だって私今まで優衣に内緒の話とか
沢山してきたのに優衣全然私に
相談してくれないんだもん。。」
たしかに…
彩乃は今日嬉しかった事や
今好きな人まで全て私に話してくれた。
「ごめん。彩乃。でももう両思いだよ。
これからは全部話す。」
「うん。柴くんの事聞かせて?」

