唇に少し強引だけど優しい唇が触れる。




でも今の私には痛みにしか
感じなかった。





バン!!!






私は柴を思いっきり押して
唇を拭う。



「ばか!!!最低!!!大っ嫌い!!」




目には涙が溜まり今にも零れそうになる。

でもその涙の奥に寂しそうな悲しそうな
柴の表情が見えた。





でもそんなの無視して私は柴に
背中を向け、走り出す。



廊下を抜き、階段を走り、教室に
戻る間、ずっと涙が止まらなかった。





好きな人にキスされたのに
全然嬉しくない。


だってあのキスに愛なんて無いから。








もう片思いは終わりにしよう。