「ねえ。優衣、あんた好きな人
ほんとにいないの?」
「えー?あたし?いるわけないじゃん!」
実は親友の彩乃にも柴の事が好きなのを
言ってない。
理由はもし恋が叶わなかった時に
同情されるのが嫌なだけ。
変にプライドが高い私は本当に
悩んでる事を誰にも話せないんだ。
「いると思ったんだけどなー!
ほら、あの先輩とか?」
彩乃は食べているポッキーを
くるくる回しながら言った。
「西野先輩の事?」
西野先輩とはサッカー部の先輩。
先輩の中ではかっこいい方で周りにも
ファンは沢山いる。
「うん、、そうかも」
「え!まじで?やっぱりー!」
西野先輩は、かっこいいとは
思うけど別に好きじゃないしファンでも
ない。
これも全部、私が柴の事が好きなのを
バレないためについた嘘。

