柴は頭を抱えてしゃがんでる私のそばに
走り寄ってきてくれた。



「大丈夫か?こいつらにやられたんだな」


『え?!柴先輩じゃん!!きゃあ』


柴は優しく私の背中を撫でたかと
思うと柴に気づいて喜んでる女の子を
キッと睨んだ。



「てめーら、成宮に何した?
 理由はなんであれ、一人相手に
 バカじゃねーの?今度成宮に手
 出したら容赦しねーからな」



柴が怒鳴ると女の子達は顔を歪め
走って行ってしまった。




「柴…ごめん。助けてくれてありがと」


私は頭をさすりながら立ち上がる。



まさか本当に柴がきてくれるなんて
思ってもみなかった。

私のために柴は走ってきてくれた。





たとえ私の事をなんともおもって
ないとしても…


「なんで謝ってんだよ。変な奴」


柴は私の制服に付いた汚れを
はらってくれた。


「まさか柴が来てくれるなんて
 思わなかった…」

「お前が囲まれてるとこ、
 廊下の窓から見えた。
 で?何があったんだよ?」



柴は真っ直ぐな瞳で私を見つめる。