お昼休み。

私は教室で彩乃と二人でお弁当を
開けていた。



「今日どうしたの?柴くんと
 全然話してなかったじゃん」


彩乃は私のお弁当から玉子焼を捕獲し
口に運びながら呟いた。


「別に。いつもがうるさすぎるんだよ」

「喧嘩?珍しいじゃん!まあ、
 いつも喧嘩してるけどさ、
 今回のはマジなやつ?」



私は唐揚げをもぐもぐしながら頷く。



「あーやっぱねー。でも、いんじゃない?
 その分、先輩に甘えちゃいなよ~」


「もぐ……そ、そんなの無理だよっ」



私は唐揚げを喉に詰まりそうに
なってお茶を飲もうとしたら、、



クラスメートの男子がビクビクしながら
近づいてきた。


「あらー瀬戸くん、なーに?」


彩乃はビクビクした瀬戸くんを
半分笑いながら話しかける。


「なにじゃねーよ!おい、成宮、
 西野先輩と付き合ってるらしいな!」


瀬戸くんに頷く私。
それがなに?と呟く彩乃。


「教室の前で成宮だせって西野先輩の
 金魚のフン達が騒いでるぞ!
 女って怖えーな!」


それを聞いて2人で教室の前を見ると
私に気づいた6人程の女の子達が
私を指差して何やら騒いでいる。



「うーわ。こうゆうのって本当に
 あるんだね。こわー。
 優衣、ほっときなよ」

「いや、ちょっと行ってくる。」


私がそう言って箸を置くと
瀬戸くんが慌てたように口を開いた。


「やめとけって!あいつらファンの中でも
 かなり熱狂的でやばいから」

「そうだよ!なんならあたし
 ついて行くし!!」


「大丈夫。一人で平気だよ」



私はそう言って席をたち、私の名前を
呼ぶ彩乃達の声を背中で受け止めた。