先輩と帰るいつもの道。

でもそれが初めて歩く道のように
新鮮な気分になる。



「優衣ちゃんだよね?」

先に口を開いたのは西野先輩。

西野先輩は優しく私に微笑んだ。


「あ、はい!よ、よろしくお願いします」


緊張のあまりギョモっちゃった。
だって急に優衣ちゃんって♡

「俺のことは遥斗って呼んで
 俺は優衣って呼ぶよ」

「あ、はい」

「あ、敬語禁止♪」

私は夕日で輝く遥斗の綺麗な横顔を
見つめながら頷いた。

やっぱりかっこいいな。
遥斗なら本当に好きになれそう。

私はそう思って遥斗から視線を外して
前をみると。。


…ッ!!!


なんと目の前では柴と早乙女さんが…!

なんで私気づかなかったんだろう…
気づいてたら違う道選んでいたのに…


「お似合いだよね。あの2人」

遥斗も前の2人を見つめながら
ポツリとつぶやいた。


そうだ。私には遥斗がいる!
あいつに遥斗とつきあってるって事
見せつけてやろ!!


「遥斗!私達の方がお似合いって事、
 あの2人に見せつけてあげよ!」

「え?うん?」

遥斗は少し不思議そうな顔をしたけど
私はそれに構わず自分と遥斗の手を繋いで
前にズンズンと歩き始めた。


あと少しで柴達を抜かせる!
そう思った瞬間、柴が後ろを振り向いた。



え…



バチッと突然目が合い、心の準備が
出来てなかった私は驚いて遥斗の手を
ぎゅっと握る。

遥斗は何を思ったのか握り返してきた。



柴は私と遥斗を交互に見て、
表情一つ変えずにまた前を向いた。


なによ。その反応。

どうせ私が誰といようとなんて
どうでもいいんでしょ。