シンデレラは硝子の靴を


「それって―?」




沙耶の言葉を受けて、坂月が頷く。





「実は、根拠などは申し上げられないのですが、石垣は何者かに命を狙われています。調査はとっくに始めていますが、犯人が特定できないでいます。何しろ敵が多過ぎる…早過ぎる就任を良く思っていない人間も多く居ますし、幹部の中でも派閥があります。範囲は外部も加えると無限大なんです。」




沙耶が無意識に口の周りを舐めると、チョコの甘みが広がった。




「…貴女の腕は、その点で素晴らしい。できれば、敵の目を欺くことができる方が良いのです。その間私は調査に力を入れたい。」




「ていうことは、つまり―、秘書って言うよりも…」





沙耶は懸命に頭を働かせる。






「ボディガード???」







沙耶の指摘に坂月は再び頷く。





「もちろん、普段もちゃんと働いて頂きます。秘書として。」




沙耶はぽかんと口を開けたまま。






―何それ。




男を女が守るの?





「なんか、、、それ、かっこ悪くないですか???」




頭に浮かんだ言葉をはっきりと声に出した。




「一応石垣もそれなりに護身術は習っていますから、何にも出来ないわけではありません。ただ―」






坂月が言い難そうに、顔を顰める。




「もう四の五の言っている暇がないんです。恐らく敵は…身内かと思いますので。。。」