シンデレラは硝子の靴を

だが。



部屋のソファの上で、沙耶は膝を抱え込んで座っていて、坂月はその様子に思わず吹いてしまう。




「あっ、笑った…」




沙耶は坂月の反応を見て、傷ついたように頬を膨らませた。




「ちが、、違いますよ。貴女が小さい子がするみたいに座ってるのでおかしかっただけで…」



慌てて坂月は否定して、改めて沙耶を見つめる。




「すごい似合ってるじゃないですか。」




お世辞抜きに言ったつもりなのだが、沙耶の膨らんだ頬は元に戻らない。




気まずい沈黙の合間に、頼んでおいたルームサービスが届くが、沙耶は終始無言だった。




「ほら、お腹空いてるでしょう?なんでも召し上がってください。」



テーブルの上にはカットフルーツや、フレッシュジュース、グラノーラや温められたクロワッサン、デニッシュ、湯気の立つチキンや、グリルトマト、オムレツなどの朝食が所狭しと並べられているが、沙耶は手を出さない。



坂月は取り分けた皿を沙耶の前に差し出してみる。




「・・・・」




沙耶はそれを無言で見つめるが、受け取らない。





坂月が弱っていると、どこからともなく、くぅ、と犬の鳴き声のようなものが聞こえた。