シンデレラは硝子の靴を

まだ秋とは言え、深夜の豪邸の廊下は、裸足で歩くのには冷たすぎる。



その上沙耶は下着姿だ。




けれど、そんなことも気にならない程、沙耶は怒りでいっぱいになっていた。





更にその怒りのボルテージを上げるのが、ぺたぺたぺたという自分の足音の後に続く、ツカツカツカという足音。





「おいっ」




自分を呼んでいるらしいけれど、沙耶は気付かないフリをして、振り返らずにさっきチェックしておいた玄関口を目指す。




幸い、大きな玄関に人は居らず、沙耶はすんなりと金色のノブに手を掛けた。




そこに―




「待てよっ」




追いついた石垣が、露わになった沙耶の肩を掴んで振り向かせた。



瞬間ダイレクトに感じた熱に、沙耶は嫌悪感を隠せなかった。




「触んな!」




咄嗟に振り下ろした腕を、石垣が掴む。




少しの間、二人の視線が絡み合った。