シンデレラは硝子の靴を

「…!!!」



石垣は出た所で、固まる。




「?どうしたんで…」




動こうとしない石垣の後ろから坂月も覗き込み、言葉を失った。



真紅の絨毯が敷かれている廊下を、秋元沙耶が全力疾走しながら、こちらに向かってくる。


しかも。




「待てこるぁ!!!このアマぁ!??」




強面の屈強な男たちが、血相を変えてその後に続いている。




「…なんで、、アイツが…?」




信じられないものでも見るかのように、石垣がぽろりと呟く。




「そんなこと、、言ってる場合じゃないんじゃないですか…?」



坂月が、呆れた声を出すが、流石に笑顔が引き攣っていた。




「つーか、、こっちに来るよな?あれ」



「…間違いなく。」




トイレから出てしまった手前、引っ込むわけにもいかず、石垣達は逃げの体勢で、反対方向に向きを変えるが。




「ここで、いっか。」




あろうことか、キキキッとブレーキ音が聞こえそうな程急に、沙耶がピタリと二人の目の前で立ち止まった。




そして、石垣を一瞥して一瞬驚いた顔をするが。




「なんであんたが…」



心底忌々しげに舌打ちしたかと思うと、素早く背後を振り返った。




「この女っただじゃおかねぇっ!!」



比較的狭い通路は、がたいの良い男たちには更に狭く、追いかけてきた男たちは強制的に沙耶に一対一を挑む形になる。