シンデレラは硝子の靴を

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時は同じくして。




「あー、疲れた。なんでこんな所に呼び出されなきゃなんねぇんだ?」





男子トイレの鏡を前に、心底気怠い声で、石垣が呟いた。




「仕方ないですよ。先方が決めたことですから。きっと、喜ぶと思ったんだと思いますよ?」





隣に立つ、坂月は飄々と言ってのけるが、石垣は頭を振った。





「気持ち悪ぃんだよ、知らない女はべらして契約とか。」




イライラをぶつけるかのように、石垣は拳を壁に叩き付けた。





「でも、私達にとっても、悪い契約ではありませんし。いつもなら淡々とやってのけるでしょう。…もしかして、苛々しているのは、この事ではないのでは?」





「…どーいう意味だよ。」





相変わらず腹の立つ坂月を睨みつけた所で、バタバタと何かが近づいてくる物音がして、石垣は顔を出口に向けた。




「なんだぁ?」




「なんでしょう?」





石垣の言葉に、坂月も首を傾げる。





石垣は慎重にドアを開けた。