シンデレラは硝子の靴を


「そうして欲しくなければ、条件がある、そうです。」



看護師は自分で言いながら、首を傾げる。



「…条件?」



「はい。それ以外は仰られていませんでした。それだけ貴女が来たらお伝えするように命じられましたので。」




中身を言わずして、条件とは。



それは、つまり―。




「…なるほど、とんだエゴイストだわ。」




沙耶はそう言い捨てると、呆気に取られている看護師を置いて席を立った。



「あ、秋元さん、、花瓶!」



テーブルの上に置きっぱなしの花瓶を見て、看護師が後ろから声を掛けるが、走り出した沙耶の耳には届かない。





―つまり。お前から会いに来いって言ってんのね。




憤りでエレベーターのボタンを連打しながら、沙耶は舌打ちする。




―だったら。




沙耶はフリーペーパーを広げて、再びバイト情報を物色し始めた。




―死んでも、私から会いになんか行かないわ。貧乏に暇なしよ。











次の日、沙耶は飲食店でのバイトの面接に行き、見事合格する。