時計の針が刻々と進んで行くに連れて。
諒は自分の予想をはるかに上回る事実に圧倒されそうになっていた。
「悪いけど…とても信じられない…」
抱えるものの重さと、取り戻すことのできない深さ。
それが諒に大きく圧し掛かる。
佐武の語り口は終始落ち着いていて、静かだったが、何年間も閉ざされていた秘密を音に乗せることに、緊張を隠せては居なかった。
最後の最後にも、これで本当に良かったのかどうかわからない、と繰り返した。
「誰かの抱えたものを『聴く』ということは、誰かの重荷を背負うことでもあります。それが周囲のした罪であろうと、巻き込まれた当事者であるなら尚の事。但し…坂月様、、いえ、楓様は、どの時点でかは存じませんが、このことを把握しているのでしょう。ですから、今回のような行動を取ったのだろうと考えられます。」
「あいつも…知ってるのか…」
この、重さを。
そして、痛みと、辛さと、悔しさを。
「はは…」
そしたら、楓の気持ちが手に取るようにわかって、笑えた。
「そりゃ、、こうするわな…」


