迷いや葛藤はあるのだろうが、佐武は意を決したように、諒に再度向き直った。
「私が今ここで話さなかったとしても、諒様は遅かれ早かれ、真実を知ることになると思います。それに、、坂月様―楓様が知っているならば、尚の事諒様も知っておくべきだと考えます。」
でも、と佐武は広い廊下を見回して。
「ここでするべき話ではありません。―宜しければ私の部屋にいらっしゃいませんか。狭いですけれど。」
提案を持ちかけた。
断る理由など何処にもない。
諒は頷いて、佐武の部屋へと向かった。
佐武に宛がっている部屋は、階段を降りて、食堂と反対側にある。
年齢を気遣ってのことだったが、佐武を見れば、未だに一段抜かしでも階段を上れそうな位元気だ。
「どうぞ。」
佐武は扉を開け、電気を点けると、諒に入るよう促す。
中は諒の部屋に比べれば狭い上に質素だが、成程内密の話をするには持ってこいの場所でもあった。
机と椅子、ベッド。
それ以外には何も置いていない。
佐武は諒に椅子を勧めると、自分は立ったまま、話し始めた。
「もう、、23年前の話になりますか―」
瞳は諒の姿を捉えている筈なのに、佐武の瞳はどこか遠くを見つめていて。
当時の風景や接した人々なんかが映っているに違いない、と諒は思った。
「私が今ここで話さなかったとしても、諒様は遅かれ早かれ、真実を知ることになると思います。それに、、坂月様―楓様が知っているならば、尚の事諒様も知っておくべきだと考えます。」
でも、と佐武は広い廊下を見回して。
「ここでするべき話ではありません。―宜しければ私の部屋にいらっしゃいませんか。狭いですけれど。」
提案を持ちかけた。
断る理由など何処にもない。
諒は頷いて、佐武の部屋へと向かった。
佐武に宛がっている部屋は、階段を降りて、食堂と反対側にある。
年齢を気遣ってのことだったが、佐武を見れば、未だに一段抜かしでも階段を上れそうな位元気だ。
「どうぞ。」
佐武は扉を開け、電気を点けると、諒に入るよう促す。
中は諒の部屋に比べれば狭い上に質素だが、成程内密の話をするには持ってこいの場所でもあった。
机と椅子、ベッド。
それ以外には何も置いていない。
佐武は諒に椅子を勧めると、自分は立ったまま、話し始めた。
「もう、、23年前の話になりますか―」
瞳は諒の姿を捉えている筈なのに、佐武の瞳はどこか遠くを見つめていて。
当時の風景や接した人々なんかが映っているに違いない、と諒は思った。


