その夜。
諒はアールグレイ香る部屋の、ベッドの上で、ひとり。
―坂月、楓。
頭の中で、自分の持っている楓の情報をまとめあげていた。
同い年。
誕生日は3日違い。
親戚の子で、最初は自分とは合わなかった。
性格は温厚で、諒とは正反対。
小さい頃は病弱だったと聞く。
「意外と思ったより少ない―」
それ以外、大して思い浮かばなかった。
深雪は、父親に訊いてみろと言ったが、父親と楓の接点が親戚ということ以外に見つからない。
更に、父が目を覚ました際、楓が会社を乗っ取っていて、実の息子が解任されたと知ったら、折角目を覚ましても、卒倒してしまうかもしれない。
いちいち引っかかるのは、深雪の言葉だった。
―コインの表と裏。
―いつ引っ繰り返ってもおかしくない。
親戚同士、会社のトップとナンバー2の関係とはいえ、自分と楓は、そこまで近しい人間だっただろうか。
佐伯が言うように、自分と楓との関係を今一度、きちんと調べる必要が、あるのかもしれなかった。
どこかにある綻びを見つけなければ。


