『おはよ、伊吹くん』


そう言った水木の髪は短くなっていて。

なぜかモヤッとした。


何で髪を切ったのかなんて知らないけど、
一瞬俺が傷つけたからじゃないか。

そんな気持ちになって、
罪悪感が襲う。


そして、もうひとつ。

水木は何で俺を

『伊吹』と言ったのか。


転校してきたあの日、

水木は俺を『日向くん』って
呼んでいたのに。


「っ、」


何で、こんなに寂しい気持ちになるんだろう。

水木は俺の何だっていうんだよ。


次第にイライラが募る。

水木が、俺の心を乱してく。


こうなったら、
とことん攻めてやる。


俺はキュッと廊下を進んだ。