キミとゆびきり〜涙の約束〜

もう、一生思い出すことはないの?

当たり前のように出る疑問。
不安ばかりが大きくなってく。


「じゃぁ、もう思い出せないわけ?」


聞こえたのは宮崎くんの声で。

ゆっくりと宮崎くんの手が
私の手に重なった。



「…分からない。抜けた記憶は、戻るのかどうかは…分からない」

「………何だそれ」

「っ、だから2人にお願いをしに来たの」

「お願い?」



宮崎くんの眉間に
シワが寄る。

私は一ノ瀬さんの表情に
嫌な予感しかしなかった。



「日向とは…関わらないで」

「は?」

「日向が、最近苦しんでる。頭痛と眩暈が時々襲うみたいで…もしかしたら、あなた達と接して、日向に影響を及ぼしてるかもしれない」