キミとゆびきり〜涙の約束〜

廊下から教室内へと踏み込んでくる
スラッと長い脚。

視線をゆっくり上へと上げる。

その光景は、
スローモーションのように見えた。


「!」


そして、

私は顎から手を離して
転校生の顔を見るなり、

無意識に息を止めた。



「じゃぁ、挨拶して」

「伊吹日向です。4年前までは、この区内に住んでいました。宜しくお願いします」



伊吹…日向…?


『俺のこと忘れないで』


名前を忘れたことなんて
1日もなかった。


あの、日向くん…?