キミとゆびきり〜涙の約束〜

私の反応に、

一ノ瀬さんは自分の手を
ぎゅっと握りしめると、

ゆっくり話し始めた。


「中1の春、日向のお母さんが…交通事故で亡くなったの」

「え…?」

「あの時の日向は…、凄く落ち込んでた。だけど…、あなたの…水木さんとの約束だけが、日向の中では小さな支えだったみたい」



いつもこの写真を眺めて、
私に話してくれた。

水木さんが、
どんな子でどんな約束をしたのか。


その時の日向は、

少しだけ照れくさそうに
ちょっとだけ顔を赤くして話してて。


男の子もそんな表情をするんだって、
初めて知った。


そして同時に、

会ったこともない水木さんが
凄く羨ましかった…