下がザワついているな
「総長!!」
下っ端の1人が慌てて俺の所に来た
「晃汰さんが!!!」
すぐに下に行くと
晃汰と一緒に行動していた下っ端の奴ら数人が傷だらけでいた
「…すみません……総長。晃汰さんが人質として蛇の奴に連れて行かれました……」
話を聞くと
「晃汰さんと俺達は一緒に見回りをしていたんです。相手の目的がわからない以上、他の所にも危害があるかもしれないからって…」
晃汰らしい
「そしたら例の蛇と出くわし、乱闘になったんですが、俺達はすぐに倒されてしまって、晃汰さんは俺達を守りながら喧嘩をしていたんです。それは、相手にもすぐに分かって、動けない小口に向かって……」
その後は
話を聞かなくてもわかった
晃汰は小口を庇ったのだろう
あいつは、幹部の中でも仲間意識が強い奴だ
それが相手にも伝わり、逆にそれを狙いにされたのだろう
「…すみません。俺達が足手まといになって、晃汰さんを連れて行かれてしまって」
足手まとい
それは
こいつらを守った晃汰の気持ちを否定する言葉だ
だから
否定をしようとしたその瞬間
バンッ
ドアの方から何か大きな音が聞こえた
後ろを振り返ると
そこには
内原と霧崎
そして
河神 真紘の姿があった