放課後
明日奈に誘われて私と雅もBlue Birdの倉庫に行くことになった。
「初めまして水宮 碧斗です。年は君らの1コ上。よろしく」
「どうも」
この人が水宮 碧斗。
Blue Birdの副総長……。
「そんで、こいつらは俺の仲間なんだ」
「ふ~ん。君は可愛いけど、あんたはパッとしないね」
これがBlue Birdの幹部…
「おい。晃汰」
「だって事実じゃん」
明日奈は、ふわふわの栗色のセミロングでパッチリとした二重の大きい瞳をして“可愛い”という言葉がよく似合う。
そして、雅は真っ直ぐな黒髪のショートで猫目をした“クール”の印象がのこる。
それに比べて
私は前髪が顔を隠れるぐらいの長さなうえ、メガネをかけている。
「そろったなら行こう」
その言葉に次々とバイクに乗り始める。
明日奈は当然のように彼氏の後ろに乗り、雅も誰かの後ろに乗った。
「君も誰かの後ろに乗せてもらいな」
誰かの後ろと言われても……
「晃汰乗せてやれよ」
「えぇ~ヤダよ、こんな子」
「ハァ~。お前な~」
水宮 碧斗が呆れたように溜め息をする
「そう言うなら、碧斗がその子乗せてやればいいじゃん!明日奈ちゃんは僕が乗せらから♪」
「…明日奈はダメだ」
これが、あの人の後を継いだBlue Bird…
「えっ…真紘?」
あの人はなぜ、こんな奴らを幹部にしたんだか
「おい」
そう考えながら帰り道の方向に歩きだした私に誰かが呼びかける声と
「!!」
バシッ
ヘルメットがとんできた…
「送る。乗れ」
とんできた方向を見るとそこにいたのは
綺麗な黒髪
吸い込まれそうな透き通った瞳
甘く響く低い声
他の人達とは違う雰囲気な男
予感がした
この男とは関わってはいけない
関わってしまったら2度と戻れない
そんな予感…
だから私は
そのヘルメットをいきよいよく、その男に投げ返した
そして再び歩こうとした時
「!!」
突然体がフワッと浮かんだ…
気付くと先ほどの男の顔が至近距離にあった
至近距離に顔があったのは、私が今この男に抱きかかえらてるからだった
腕から逃れようとするが
びくともしない……
ボフッ
「…ちゃんとかぶっとけよ」
───ッ
なっ…なんなんだ、この男は……