「…決まった?」

初めて聞いた時と同じ
透き通るような凛とした声でそう聞いてきた


「決まったよ」


真っ先に答えたのは碧斗だった


「確かに俺の覚悟は甘かったことは、昨日でわかった。だけど明日奈を手放すつもりはない」


その声と瞳には迷いが一切感じない


「…そう」


そう答え、出口に向かってくる

ガチャッ

屋上のドアを開け、閉まる瞬間


「……ならいい」


その声は小さく
多分俺にしか聞こえなかっただろう