青い鳥



それから明日奈と何度か会っていくうちに俺はどんどん明日奈に惹かれていった


だが
明日奈はきっと俺がBlue Birdの副総長だとは知らないのだろう


大抵は俺の名前を言うとBlue Birdの水宮 碧斗だってことがわかる


だが
明日奈は俺が名前を言っても何も変わらなかった


だから
明日奈はきっと知らないのだろう


だが
それは遅かれ早かれ同じ学校ならやがてはわかることだ


なら俺は自分自身で明日奈に伝えたい

周りの奴からではなく俺の言葉で


「明日奈ちゃん聞いてもらいたいことがあるんだけど」


明日奈はキョトンとした表情で


「何?」


と聞いてきた


少しだけ恐怖はあった

もし、このことを知ってしまって今までの態度が変わってしまったら…


そういう思いもあった


だが
明日奈にはちゃんと知っていてほしい


その思いの方が何倍も強かった


「明日奈ちゃんは知らないかもしれないけど俺は“Blue Birdの副総長なんだ”」


そういい終わへ明日奈を見ると

明日奈はキョトンとしながら目をパチパチしながら俺の顔をみてくる


そして

「知ってるよ」


そう答えたんだ


俺はその返答に脳内が一時停止した


えっ
知ってるって…


「俺がBlue Birdの副総長ってことよ!?」

「うん」


そう間をおかないで答えられ戸惑っている俺の様子がおかしかったのか

明日奈はクスクス笑いながら


「Blue Birdは有名だし知らない人はめったにいないんじゃない?」

「なら、どうして…」


分からなかった
俺がBlue Birdの副総長だと知っていながらどうして…


「どうしてってBlue Birdの副総長だとしても碧斗さんは碧斗さんでしょ」


明日奈にとってそれは当たり前ことなのだろう


たが
そんな風に答えられる人がどれだけいるか…


「なら、これは知らないだろ?」

「えっ?何が??」


俺は明日奈に近づいて明日奈の耳元で



「好きだ」



そう呟いた


そして
案の定明日奈は顔を真っ赤にして口をパクパクしていた


その姿がまた可愛いくてたまらなかった


この子の側にいたい

そして
この子を守りたい


そう思った