「…もう一度言う。明日奈を離せ」

グッ─

「…っ!!」


Vorusheのリーダーは標的を河神 真紘に移したのか内原を離した


それと同時に河神 真紘が掴み上げられていた腕を放す


「なめやがって…!死ねえええぇぇ!!」


それをなめられたと感じたのか、怒りで狂ったVorusheのリーダーが河神 真紘に殴りかかる



だが、


バシッ─

「「「!!!!」」」


軽々と腕を抑え


そして、
Vorusheのリーダーの腹に拳を入れる


ドサッ─


「…次は誰」


河神 真紘の言葉にハッと我に返るVorushe


そして

「ちくしょう…!!なめんなっ!!!」


数人の男が河神 真紘に殴りかかる
勢いよく振り下ろされるパイプ


それを交わし、すばやく男の背後へ入り込む

同時に別の男の腹に拳を入れる


「ぐはぁ…!!」 


倒れこむ男の木刀を奪い再び襲いかかるパイプを受け止める


遥か力の差が違いすぎる相手を、次々と倒れていく


河神 真紘の動きは翼が生えているかのような軽い動き



“統也”



「……っ!」


その姿はあの人とダブって見えた



再び河神 真紘を見ると

既に数十人もの男が気を失って倒れていた


「…キリがない」


河神 真紘は


「…一気にかかっておいでよ」


ゾクリとしたものが背中に走る


どこからこんな量の殺気を出してんだ…


元々河神 真紘には普通の奴らとは違った雰囲気だとは感じていた


だが
そこら辺の奴らにだってこんな量の殺気は出せやしない


そもそもこいつは族に入っていないはずだ


なのに何故殺気を出すことができるんだ…


そんなことを考えてるうちに
Vorusheの連中は一斉にに襲いかかる


この人数はさすがに…


ドカッ

「うっ…!」


後ろで手を縛っている男に蹴りをいれ
男がしゃがみ込んだのと同時に走り出そうとした瞬間


バキッ──


骨をも砕けるような鈍い音が耳に響いた


音をした方を見ると目の前には


河神 真紘を中心に倒された何百人のVorusheの連中…


全国10位以内に入る族がたった1人の女にいとも簡単に倒された