「……んっ」
また寝てた…
今何時間目だろう
「さっきの見た!?」
「見た見た!!」
目の前には、何やら話に花を咲かせている女子の姿
「朝からBlue Birdの4人を見れるなんてラッキー!」
またBlue Birdか
本当に、この学校の女子はBlue Birdの話ばっかだな…
「しかも栗原様と竹内様と一緒のクラスなれるなんて超ラッキーだよ!!」
…一緒
あの2人同じクラスだったんだ…
入学式から大抵授業は寝てたから知らなかった
「でもBlue Birdの中で1番は……」
「「滝川様だよね~♡」」
ボキッ
「っ…」
手に力が入りすぎて握っていたシンが折れてしまった
滝川 統也
その名前が出た瞬間なぜかドキってした
なぜ…
あの男のことなんて私には関係のないことだ…
その時ふと昨日のことを思い出した
“…ちゃんとかぶっとけ”
“男に襲われるっていうことはこういうことだ”
って何思い出してんだか
「こら河神!!!」
…私?
「テストが近いとゆうのになんだその授業態度は!!!!!」
前を見ると今にでも角が生えてくると思えるぐらい顔を真っ赤にして怒っている先生が私を睨みつけていた
「罰として今すぐこの問題を解いてみろ!!」
なんだ
難しい問題だと思ったのに簡単な問題なんだ
クスクスと笑っている声が聞こえる
解けないと思っているの
ガタッ
カッ、カッ、カッ…
黒板にスラスラ解答を書く
最後の方程式を書く頃にはすでに教室は静まり返っていた
カタッ
「せっ…正解だ」
チョークを置いて席に戻ろうとした時戸惑う先生の声が聞こえた
「…何者だよ、あいつ」
その時、そう言っていたのは声は私には聞こえなかった…

