中に入り、僕は戸のすぐ傍に。近藤さんたちは彼の目の前に座った。

「局長の近藤勇だ」

 あっ……自己紹介するんだ。

「副長の土方歳三だ」

 僕も名乗らなきゃだめ?

「僕は一番組組長、沖田総司だよ」

「神田龍です」

 神田……聞いたことないな。間者じゃないのかな? まあそのときは、僕が斬ってあげるけど。

「入隊希望だったね。俺は別に構わないんだが……。トシはどう思う?」

 近藤さん、あっさり受け入れちゃうんだ。まあそこが、近藤さんの良い所でもあるんだけど。

「俺はあんたがそれでいいってんならそれで構わねえ。だが、そんな女みてえな細っこい腕で戦えんのか?」

 まあ確かに、年頃の男にしては細いよね。

「人並には」

 人並、ねえ……。人並ならあんな殺気は出せないよ。

「なら入隊試験ってことで俺から1本とってみろ。そしたら許可してやるよ。それでいいか? 近藤さん」

 土方さんから1本って……すごいこと言うなあ、この人。まっ、おもしろそうだけど。

「いいだろう」

 近藤さん、許可しちゃうのね。

「神田もそれでいいだろ」

 うわっ……すごい威圧。でもそれに怯まない彼もすごい。初対面だったら怯んでもおかしくないのに。

「はい」

「来い。道場に案内する」

 僕たちは道場に向かった。