「神田です」

「入れ」

「失礼します」

 そう言って襖を開け、中に入った。

「ご苦労だったな。で、情報は掴めたか?」

「あっちも警戒してるみたいで、それほど多くの情報は得られなかった。だが奴らは定期的に会合を開いている。何かを企んでいるのは確実だろうな」

 また戦いになるのか。

「こちらも準備をしておいたほうがよさそうだな」

「ああ」

 また多くの血が流れる。

「しばらく休んでいろ、疲れただろ」

「ああ。……お前に一つ聞きたいことがある」

 答えてくれない可能性が高いが、聞かないよりはいいだろ。

「なんだ?」

「山南さん、どうかしたのか?」

「あー、最近体調が悪いらしくてな」

 嘘だな。

「……そうですか」

 嘘つくの下手だな、土方。

「では失礼します」

 部屋から出て、自分の部屋に向かった。

「あっ! おかえり、雪ちゃん」

 ……前より顔色が悪くなってるな、総司。

「……こんにちは」

 そう返して壁にもたれかかった。

「雪ちゃんってさ、ただいまって言わないよね」

「そう? 気のせいじゃない?」

 ただいまなんて、誰が言うか。

「嘘だね。絶対わざとでしょ」

「そんなことあるわけねえだろ。私はもう寝る」

 ゆっくり目を閉じ、すぐに意識を手放した。