孤独な少女と誠の武士

「雪ちゃん」

 声がしたほうを見ると、総司が手招きしていた。

 ……今はあんまり行きたくないんだが、しかたないか。

「沖田はん、どうしたんどすか?」

「君にいろいろと聞きたいことがあるんだよ。隣の部屋にでも行こうか」

 にこっと黒い笑みを浮かべながら彼はそう言った。

 すごい威圧感だな。

「わかりました」

 私たちは隣の部屋に移った。

「聞きたいことってなんどすか?」

「まず、その話し方やめなよ」

 いつものにしろってか?

「わかった」

 まあそのほうが楽だからいっか。

「それじゃあ質問その1。どうしてそんなすらすら京言葉が出てくるの?」

 それ聞くかよ。

「昔少しだけこっちに住んでたことがあったんだ。それで自然と覚えた」

 仕事で何回かこっちには来てる。そのときに使うかもとついでに覚えたからな。

「じゃあ質問その2。左之さんたちの相手をしているあの鈴って子、前君に会いにきてた子だよね? どうしてここにいるの?」

 やっぱ気づいてたか。

「私もここに来て初めて知ったんだよ。彼女の目的は知らねえ。知る必要もねえし。どうしても知りたいなら彼女本人から聞け」

 私から言うことはない。

「じゃあ質問その3。長州の動きは掴めた?」

 そこが本題だな。

「全く。接触は今のところないしな」

 早く来てとっとと終わらせたいんだが。

「そう。最後に、土方さんからの伝言。無理はしないようにって」

 何回それ言えば気が済むんだよ。

「大丈夫だ」

 失敗なんてしない。

「そろそろ戻ろうか」

「うん」

 私たちは先程の部屋に戻った。