「失礼するどす。お酒をお持ちしました」

 襖を開けてそう言った。

「雪、来るのが随分と遅かったな。皆はんもう飲み始めてますよ。早う皆はんのお相手をして差し上げなさい」

 どうして琉菜がここにいんだよ。

「申し訳おまへん」

 我慢だ。我慢するんだ、私。

 平助たちのところに向かった。

「どうぞ」

 そう言ってお酒を注いだ。

「ぷはーっ」

「ええ飲みっぷりどすな。どすが、飲みすぎないようにしてくださいな」

「こんなんまだまだ。今夜は飲みまくるぜ!」

 完璧酔ってんな。大丈夫か?

「雪ーすんげえ綺麗になってんな。男装させるのがもったいないぜ」

 原田、酔ってる状態でそんなこと言われても冗談にしか聞こえねえよ。

「左之、平助、飲みすぎだ。そう絡むな」

 土方がそう注意した。

 おー、怖い怖い。

「鬼の副長さん、全然飲んでないどすな。もっと飲んでくださいな」

 おいおい琉菜、そんなこと言うなよ。

「俺はそんなに飲まねえようにしてんだ。他の奴の相手をしてやってくれ」

 おー、大人な対応だな。