「言いたいように言ってくれんじゃねえか」

 えっ?

 後ろには土方と総司、斉藤がいた。

「……いつの間に」

「おーっと、逃がさねえぜ」

 冬樹の後ろには原田、永倉、平助がいた。

「土方、なんでここにいるんだ?」

「総司がお前が帰ってくるのが遅いってうるさくてな。だからみんなで探しにきたんだよ」

 別に遅くないと思うんだけど。

「その前にうちの隊士が2人斬られてな。それで総司が心配したんだろ」

 隊士が、斬られた?

「あー、まだ生きてたんだ。死んだと思ってたんだけどなあ」

 ってことは……。

「……冬樹がやったの?」

「そうだよ」

 そう無邪気な笑顔を向けてきた。

「雪姉はこっち側だもん。邪魔な奴らは僕が殺してあげる。ぜーんぶいなくなったら、雪姉だって戻ってくるでしょ?」

「雪!」

 すぐに刀を抜き、一気に間合いを詰めて彼の首に刀を突きつけた。

「今度そんなことやってみろ。私がお前を殺しに行くぞ」

 ギロッと睨みつけた。

「相変わらずすごい殺気だね。雪姉には逆らわないことにするよ。じゃあまたね、雪姉」

 そのまますぐに消えてしまった。

「雪、あいつは一体何者なんだ?」

 原田がそう聞いてきた。

「……弟です。神宮寺とつながってるみたいですし、敵として立ち塞がったときは容赦なく殺します」

 今の私は幕府の犬。将軍の敵は、誰であろうと殺す。

「とにかくとっとと戻るぞ」

「はーい」

 せっかくできた仲間と呼べる存在。でも、いつかはここを去らなきゃいけないんだよな。私はいつ、ここを去るんだろうか。