「うっ……」

 ……結構寝てたみたいだな。

「やっと起きたね」

 横を見ると沖田が座っていた。

「すみません、随分と長く眠っていたようで」

「いいよ。体調悪そうだったし」

 ……まだくらくらする。

「はい、おにぎり。さっき作ったばかりだから、まだ柔らかいと思うよ」

 そういえばさっきもおにぎりを渡されたような……。

「あの、先程のおにぎりは」

「僕が食べたよ」

 あっ、そうなのか。

「すみません。無駄なお手間をとらせてしまって」

「構わないよ。自分で勝手にやってることだからね」

「ありがとうございます」

 ぱくりと一口食べた。

 ……辛い。

「どうかしたかい? もしかして、おいしくなかった?」

「……いえ」

 せっかく作ってもらったんだ。ちゃんと食べよう。

「それ食べたら、土方さんのところに行っておいで。渡したいものがあるんだって」

 渡したいもの?

「わかりました」

 おにぎりを食べて、土方のところに向かった。