襖の微かな隙間から日が差し込んだ。
「んっ……」
朝か……。
まだぼんやりとしている視界をこすりながらむくっと起き上がった。
沖田がいないな。まさか寝坊したか?
急いで着替え、部屋から出た。
「もう起きたの?」
声のしたほうを見ると、沖田がこちらに向かってくるところだった。
「おはようございます。もう少し早く起きたほうがいいですか?」
どのくらいに起きればいいのかを聞き忘れていた。
「いや、このくらいでいいよ。他の人もこのくらいに起きるから。僕は今日食事当番だったから早めに起きただけだし」
当番なんてあるのか。
「何かやることありますか?」
何もしないというのは落ち着かない。
「じゃあ3馬鹿を起こしてきてもらえる?」
3馬鹿?
「誰ですか?」
「新八さん、左之さん、平助のこと」
あー、なるほど。確かに馬鹿そうだ。
「ここを真っすぐ行ったら3つ部屋がある。平助、左之さん、新八さんの順になってるから」
「わかりました」
まずは藤堂の部屋に向かった。
「藤堂さん、神田です」
……返事がない。まだ寝てるのか?
「失礼します」
中に入ると、藤堂は気持ちよさそうにすやすやと眠っていた。
猫みたい。近くで見るとやっぱかわいい系の顔だな。体は細めだし女装したら似合いそうだ。こんな奴でも一応幹部なんだよな。
「藤堂さん、起きてください。朝ですよ」
揺すってみたものの反応はない。
どうしたものか。これだと朝食に間に合わない。知り合いなら無理やりにでもたたき起こすのだが、まだ知り合って間もない、しか一応上司にあたる人にそれはできないしな……。
「藤堂さん、起きてください」
「んっ……」
おっ! 反応が!
「藤堂さん、朝ですよ」
「……ゆ、き……?」
閉じられていた目がうっすらと開いた。
「はい。沖田さんに言われて、起こしに来ました」
「雪……」
なっ……!
肩を掴まれたかと思ったら、いきなり押し倒された。
「ちょっ……藤堂さん!?」
なぜこうなった!?
「平助」
えっ?
「平助って、呼んで?」
なんだその甘えた声は!?
「なんで……」
「そうしないとずっとこのままだよ?」
ちっ……。蹴っていいか、こいつ。
「雪、呼んでよ」
耳元でそう囁かれた。
……っ!
耳元で囁いてんじゃねえよ!
「あれ? もしかして耳、弱い?」
こいつ……!
「おい平助ー、そろそろ起きろよー」
いきなり襖が開かれた。
「平助!? てめえ何やってんだよ!」
永倉が入ってきて、平助を退かした。
「大丈夫か? 雪」
原田が私に駆け寄り、そう聞いてきた。
「あっ……はい。大丈夫です」
「おい平助! 何やってんだよてめえは!」
……油断しすぎた。これからは容赦なく蹴り飛ばそう。
「んっ……新八さん?」
まさかこいつ、寝ぼけてるのか!?
「いい加減目え覚ませ!」
永倉が思いっきり藤堂の頭を殴った。
「いってえー。何すんだよ新八さん!」
「何すんだじゃねえよ。お前今、雪を襲ったんだぞ!」
押し倒されただけだが。まああの様子ならさっきのことは覚えていないだろう。
「俺が!? 悪い、雪。俺たまにこういうことあるんだよ」
へえー。
「いえ、大丈夫です。……ですが、今度やったらただじゃ済まないので覚悟しといてくださいね」
しばらく動けないようにしてやるよ。
「あ、ああ……」
さて、私はもう行こう。
「では、私はこれで失礼します」
ぺこりと頭を下げ、広間に向かった。
「んっ……」
朝か……。
まだぼんやりとしている視界をこすりながらむくっと起き上がった。
沖田がいないな。まさか寝坊したか?
急いで着替え、部屋から出た。
「もう起きたの?」
声のしたほうを見ると、沖田がこちらに向かってくるところだった。
「おはようございます。もう少し早く起きたほうがいいですか?」
どのくらいに起きればいいのかを聞き忘れていた。
「いや、このくらいでいいよ。他の人もこのくらいに起きるから。僕は今日食事当番だったから早めに起きただけだし」
当番なんてあるのか。
「何かやることありますか?」
何もしないというのは落ち着かない。
「じゃあ3馬鹿を起こしてきてもらえる?」
3馬鹿?
「誰ですか?」
「新八さん、左之さん、平助のこと」
あー、なるほど。確かに馬鹿そうだ。
「ここを真っすぐ行ったら3つ部屋がある。平助、左之さん、新八さんの順になってるから」
「わかりました」
まずは藤堂の部屋に向かった。
「藤堂さん、神田です」
……返事がない。まだ寝てるのか?
「失礼します」
中に入ると、藤堂は気持ちよさそうにすやすやと眠っていた。
猫みたい。近くで見るとやっぱかわいい系の顔だな。体は細めだし女装したら似合いそうだ。こんな奴でも一応幹部なんだよな。
「藤堂さん、起きてください。朝ですよ」
揺すってみたものの反応はない。
どうしたものか。これだと朝食に間に合わない。知り合いなら無理やりにでもたたき起こすのだが、まだ知り合って間もない、しか一応上司にあたる人にそれはできないしな……。
「藤堂さん、起きてください」
「んっ……」
おっ! 反応が!
「藤堂さん、朝ですよ」
「……ゆ、き……?」
閉じられていた目がうっすらと開いた。
「はい。沖田さんに言われて、起こしに来ました」
「雪……」
なっ……!
肩を掴まれたかと思ったら、いきなり押し倒された。
「ちょっ……藤堂さん!?」
なぜこうなった!?
「平助」
えっ?
「平助って、呼んで?」
なんだその甘えた声は!?
「なんで……」
「そうしないとずっとこのままだよ?」
ちっ……。蹴っていいか、こいつ。
「雪、呼んでよ」
耳元でそう囁かれた。
……っ!
耳元で囁いてんじゃねえよ!
「あれ? もしかして耳、弱い?」
こいつ……!
「おい平助ー、そろそろ起きろよー」
いきなり襖が開かれた。
「平助!? てめえ何やってんだよ!」
永倉が入ってきて、平助を退かした。
「大丈夫か? 雪」
原田が私に駆け寄り、そう聞いてきた。
「あっ……はい。大丈夫です」
「おい平助! 何やってんだよてめえは!」
……油断しすぎた。これからは容赦なく蹴り飛ばそう。
「んっ……新八さん?」
まさかこいつ、寝ぼけてるのか!?
「いい加減目え覚ませ!」
永倉が思いっきり藤堂の頭を殴った。
「いってえー。何すんだよ新八さん!」
「何すんだじゃねえよ。お前今、雪を襲ったんだぞ!」
押し倒されただけだが。まああの様子ならさっきのことは覚えていないだろう。
「俺が!? 悪い、雪。俺たまにこういうことあるんだよ」
へえー。
「いえ、大丈夫です。……ですが、今度やったらただじゃ済まないので覚悟しといてくださいね」
しばらく動けないようにしてやるよ。
「あ、ああ……」
さて、私はもう行こう。
「では、私はこれで失礼します」
ぺこりと頭を下げ、広間に向かった。