「おっ! 総司じゃねえか!」

 ん?

 声のしたほうを見ると、そこには明るめの茶色の短髪と青色の細い瞳を持つ力のありそうな男性が沖田に声をかけてきた。

「新八(しんぱち)さん、何してるんですか?」

 幹部の奴か。

「洗濯だよ。今日は俺が当番なんだ」

 当番制なのか。

「平助(へいすけ)と左之(さの)さんはどうしたんですか? 一緒ですよね?」

 その2人も幹部か。

「もうそろそろ来ると思うぜ」

「新八ー!」

 赤みがかった茶色の髪を横の低い位置で結んだ黒色の瞳を持つ力のありそうな男性と、茶色の髪を高い位置で一つに束ねた緑色の瞳を持つ若い男性が歩いてきた。

「おせえぞ、お前ら」

「わりいわりい」

 力のありそうな男性が笑いながらそう謝った。

 全然謝ってる感じしないけど。

「おい総司、こいつ誰だよ。見たことないぞ」

 こいつって……。

「彼は神田龍。今日から一番組副長だよ。まああとで近藤さんか土方さんから説明があるだろうけど」

 女ってことは言わないのか?

「よろしくお願いします」

 ぺこりと頭を下げた。

 いろいろとむかつくが、良い印象を与えておかないとな。何はともあれ、任務が最優先事項だからな。

「俺は二番組組長の永倉(ながくら)新八だ」

 頼りになりそうな、兄的存在感があるな。

「俺は十番組組長、原田左之助(はらださのすけ)だ」

 左之って名前じゃなかったのか。永倉と原田って、雰囲気が似てるな。2人とも仲が良さそうだし、相棒みたいな感じか。

「俺は八番組組長、藤堂(とうどう)平助だ。よろしくな」

 こんな若い奴が幹部なのか。

「それじゃあ洗濯頑張ってね。僕たちはまだ用があるから」

 まだ何かあるのか?

「ほら、行くよ」

「はっ……はい!」

 急いで沖田についていった。