今は、凄く、窮屈なんだけどーー。
こんな時に不謹慎だと兄さんには怒られるかもしれないけれど……、少し梨杏ちゃんと二人きりになれて嬉しかったりして。
だけど、こんなに可愛い子、今は僕がしっかりと守らないとなーー。
二戸 梨杏も暑さで目を覚まし、虚ろな目をパチクリさせながら周りの状況を確認している。
「拓夢くん・…………!?」
凄く暗い。
ここは、どこ?
どうして、拓夢くんがここにいるの?
拓夢が声を潜める。
「親父が今この家に来てる。見つかると凄くやばいんだ僕も梨杏ちゃんも………。わかった?」
状況が分かった二戸 梨杏が声を出さずに「うんうんうん」と首を縦に振る。



