梨杏ちゃんの寝顔は、やっぱり子猫だ。
可愛い寝顔、ずっと僕はこうやって見ていたいけど、今はちょっと無理かも。
僕も梨杏ちゃんも親父に見つかると、凄く大変な事になる。
もちろん、兄さんもねーー。
「起こしてしまったら、ごめん……」
そう言って、拓夢は寝ている二戸 梨杏の体を軽々とそっと抱きかかえてクローゼットの中に身を潜めた。
拓夢と二戸 梨杏の二人分の体温がクローゼット内の温度を徐々に上昇させる。
「あつい……………」
ーー暑いし、やっぱり二人だと少し窮屈だなぁ。
拓夢が一番上のブラウスのボタンを外しネクタイを緩める。
でも、兄さんが少し羨ましいなぁ。
梨杏ちゃんの側にいられて……。



