一方、中村先生の寝室の部屋へ逃げた拓夢はーー。
まず、ベッドの掛け布団の中に潜り込んだが、背中を剥けて熟睡をしている二戸 梨杏と遭遇。
両目を大きく開いて驚いたのは拓夢。
梨杏ちゃんがこの部屋で寝ているなんて、……。
じゃあ、兄さんはいつもどこで寝ているんだ……?
やばい、親父の声と足音が段々と近づいてくる。
拓夢の心臓の鼓動がドキドキと早く打ち始める。
二戸 梨杏がくるんと寝返りを打った。
気持ち良さそうに寝ている二戸 梨杏。
「わぁっ!顔が………近い」
明かりのない部屋だけど、拓夢にはぼんやりと二戸 梨杏の顔が近くにあるのが良く見える。
二戸 梨杏の小さなスースーという寝息が拓夢の頬にリズム良くあたる。



