半分程めくれ上がったベッドの掛け布団をがばっと全部綺麗にめくる。 「ここも、拓夢がいないかぁ。おかしい。はぁー、まったく……」 と、首をかしげながら疲れた表情の中村先生の父親、向きを変えて部屋を出ていく。 心中ひやひやしている中村先生。 冷静を取り戻し、この部屋で二戸 梨杏がベッドの上で寝ていたはずだが……。 ベッドの上には誰もいなかった、って二戸はどこにいったんだ。 ーー拓夢と二戸 梨杏は俺の寝室のどこに……、隠れているんだ。