中村先生の父親がふと横を向くと玄関にいるパンサーカメレオンの小春とバシッと目が合った。
「なんだあーー、この生き物は!?」
「小春だよ」
「小春って、……」
そこから、中村先生の父親の長い愚痴が始まった。
いい年をした一人住まいの男が小春と名付けたパンサーカメレオンを可愛がって……、と。
完全に呆れた様子の親父。
つまり、親父の言いたい事の結論は早く良い人を見つけて結婚をしろということだった。
そんなことはもう十分わかっているよ、頼むからさっさと帰ってくれ。
もし、拓夢がここにいることが見つかれば、俺はこっぴどく叱られるだろう。
このヒグマの様な父親に。
未だに俺は勝ったことがない。
完全にぼこぼこにされるだろうな。
更に、二戸 梨杏が見つかったら、……大問題だ。



