だったら……、最初から私を困らせるような質問をしてこないでよ。 煮えたぎるような苛立ちを隠しきれずに下唇を思いっきりギュッと力強く噛む二戸 梨杏。 そんな二戸 梨杏の耳元にひそひそと声を潜めて話をする拓夢。 「ごめん、……困らせた。可愛い嘘を付く子、俺のタイプだったり――」 クスッと笑って二戸 梨杏の側を直ぐに離れた拓夢。 魂を半分抜かれた様な表情をして固まっている二戸 梨杏。 ――拓夢くん、私の事、からかわないでよ!