今まで自分の話で夢中になっていたせいで中村先生の隣にずっといていた二戸 梨杏の存在に全く気がついていなかった拓夢、
冷静になった拓夢が疑問符いっぱいの頭で二戸 梨杏の顔をずっと見ている。
失恋直後の拓夢の胸の鼓動が高鳴り始める。
ヤバイッ、マジッ可愛い!!
背丈も顔もドストライクで、俺のタイプの女の子!
――しかし、あの女の子は、誰なんだ?
兄さんの彼女?
に、しては若すぎる……。
だけど、兄さんこんな女の子がタイプだったかな?
いったい、どこで知り合ったんだろう?
兄さんが、ナンパ?
まさか、いやいやそんな事をするタイプの人間じゃない!
俺の兄さんは見かけによらず超が付くほどの真面目な男だから。
でも、どうして、こんな可愛い娘が兄さんの部屋にいるんだろう?



