二戸 梨杏以外に夢中になれる事を俺はとにかく探そう。
だけど、それは簡単なようで、意外と難しい――。
学校にいても家にいても、俺の視界のどこかに二戸 梨杏がいる。
24時間ずっと監視をしている訳ではないけれど、アイツの姿が少しでも見えなくなると不安になって探してしまう。
ふと、我にかえると――。
俺、何してんだろう――?って考えて口ずさんでいる。
それ、最近の俺の口癖になったような気がする……。
距離を保つって、意外と難しいな。
今日はとにかく晩ご飯を美味しく食べて、持ち帰った残りの残業をさっさと片付けてしまおう。
俺に出来る事は今それしかない。
晩ご飯、晩ご飯!
仕事、仕事だ!



