テーブルの上に置かれている2皿のオムライスがドカーンと中村先生の視野に飛び込んだ。
静かに口を閉じて茫然とオムライスを見つめている中村先生、思わず言葉を失う。
――俺が一生懸命に作ったオムライスに派手な事をしてくれなよな?
オムライスの上に俺の名前が書かれている。
“しゅんや”
名前だけじゃない、白いお皿の空白部分までうまく利用をして“ありがとう”と“おつかれさま”……。
まるで幼稚園児が書いたような字だけれど、字からお前の一生懸命さが伝わる。
お前の字が汚い綺麗なんかもうどうでもいいんだ、こんな事をしてくれる気持ちが嬉しい。
意外と細かな心遣いができる女の子っぽい面を見せてくれるじゃないか、二戸。
そんなお前に惹き付けられんだよ、俺――。



