二戸 梨杏の目がキラキラと輝く。 仕事終わりにオムライスを作ってくれる為にコンビニ寄ってわざわざ玉子買って来てくれたのを想像をすると――、倍嬉しくなる。 二戸 梨杏が両手を差し出して「先生、早くカバンかして!私、運ぶから!」と中村先生に催促をする。 「おお、サンキュウ!」 中村先生がずっしりと重い黒色のビジネスバッグを二戸 梨杏に預けて渡した。 鞄の底に両手を回して重そうな顔をして持っている二戸 梨杏。 ――こんな鞄ぐらい、片手で簡単に受け取れると思っていた。